歴史・伝統を胸に、夢をふくらませながら。ギャラリー&カフェ 壱の蔵
明治初期に建造されたという、見世蔵を改装して作られたギャラリー喫茶・ギャラリー&カフェ 壱の蔵。その名の通り、本場の結城紬や芸術家の作品を展示するためのギャラリーとカフェを併設した、結城自慢のお店でした。
そんな『ギャラリー&カフェ 壱の蔵』が、このたび店舗として利活用してくれる方を募集しているとのこと。伝統を感じさせるこちらの物件、中へ進んでみましょう。
店内に広がるのは、ゆったりとした時間を過ごせそうな、広大なスペース。優雅にコーヒーやお茶を楽しんでいたお客さんの姿が、鮮やかに想像できます。ここで飲むお茶は、きっとおいしかっただろうなぁ。
ふと店の隅に目をやると、結城の名産・桐箪笥が。重厚な雰囲気は、レトロなムードを存分に薫らせてくれています。もう少し奥へ進んでみましょう。
一階と二階をつなぐ階段には、箪笥の機能も兼ね備えた「階段箪笥(かいだんだんす)」を使用。レトロでいてモダンな意匠に、思わず心を奪われてしまいます。これは積極的に利活用したいところ。
営業時に使用していたという器たちも、そのまま息を続けるようにして、大切に飾られています。古民家や空き店舗の利活用には、もちろん “受け継ぐ” という意味合いがありますが、それは「物」に限ったことではないような気がするのです。こうしてお客さまのことを真摯に想ってきた愛情も、そのまま受け継いでいただけたらなぁ、と。それでは、二階へ。
広々とした客間は、大人数のお茶会にぴったりな仕様。ここを眺めているうちに、なんだか、ひとつ妄想がもくもくと浮かんできました。「創作和食料理屋さん」なんて、いかがでしょう。
レトロモダンな内装を生かしつつ、でも、シンプルな「和食」にとどめることはなく。ちょっぴり気の利いたお料理を提供するような、そんなお店。内装こそ和を感じさせるデザインだけれど、たとえばあえて、イタリアンの趣を薫らせてみたり。ここで食べるパスタ、きっとおいしいと思うんです。お蕎麦ではなく、冷製のパスタ。ひつまぶしではなく、うなぎのリゾット。ほら、なんだかワクワクしてきました。
少しばかり妄想にヒートアップしすぎた頭を冷やすべく、窓を開けて外を覗けば、立派な瓦屋根の建物が。なんでもこちらの物件、向かいに見えている結城紬問屋・奥順株式会社が経営していたカフェなのです。
奥順株式会社は、日本古来の手作りの良さを持つ国の重要無形文化財「結城紬」を、世界最高の絹織物として伝承している歴史ある会社。そんな奥順株式会社と共に歩む、素敵なお店として利活用していただけたら、とってもうれしいです。