地域を愛し、地域に愛されたお店として。CDショップ・ナガタヤカメラレコード店
愛されるということは、きっと、自らが強く愛することによって叶うのでしょう。
結城駅北口を出て、駅前蔵通りをまっすぐ10分ほど歩いたところに位置する、老舗CDショップ『ナガタヤ』。地域の方々から長きにわたって愛されてきた同店は、2022年、惜しまれながらも、その歴史に幕を閉じました。
風情の残る外装からは、少しばかりの寂しさが漂うような。今回は、こちらの『ナガタヤ』の元店舗物件のご紹介。『地域に愛されるようなお店になってくれたらうれしい』と話してくれた、店主の方のお話もおり混ぜつつ、内装を見ていきましょう。
広々とした店内には、もともとCDやレコードを並べていたラックが所狭しと陳列されています。
年季の入った時計、近ごろまで使っていたというスタンプ、レトロな趣が漂う壁紙の幾何学模様。『CDといえばナガタヤ、というように結城のみなさんが愛してくれていたんだよ』と、店主の方は話します。
『サブスクリプションサービスの台頭もあって、CDの販売はなかなか順風満帆には行かなくてね。それでも、昔からこよなく通ってくださったお客さんが、今でも「開いてる?」なんて言いながらお店を訪ねてくれるんだよ。正直寂しくはあるけれど、これからこの物件を使ってくれる方には、地域から愛されるお店を作っていってほしいな』
二階へ上がってみれば、もともと倉庫として使われていたスペースが。ここ、きっと上手く活用できそうな気がします。
ちょっと妄想してみましょう。一階部分は、広い売り場面積を活かして、“おみやげ屋さん” なんてどうでしょうか。二階に上がれば、ちょっぴりシックなムードの軽食屋さん。みんなが大きなテーブルを囲んで、それぞれ買ったお土産について話しつつ、これからの目的地や旅行先、帰る故郷や地元についてワイワイ話す、といったような。きっとたのしそう。ここに行けば、誰かがおみやげを嬉しそうな表情で選んでいる、といった形。
『曲目探しを、お手伝い致します』と書かれた、やさしさあふれるラック。きっとゆくゆくは『おみやげ探しを、お手伝い致します』なんて書き換えたりなんかして。結城市で生まれたさまざまなおみやげをずらりと並べたお店は、きっと、元店主の方が望むような、“地域に愛されるお店” になりうると思うのです。
もちろん、おみやげ屋さんだけではありません。きっとどんなアイディアであっても、そこに愛情があれば、元店主の方もよろこんでくれるはず。かつてナガタヤがそうあったように、愛情に包まれたあたたかなお店となることを祈っています。ぜひ、一度足を運んでみてください。