なんの変哲もない履物店。奥にひっそり隠されているのは、まさかの「蔵(くら)」なのです。
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なんの変哲もない履物店。奥にひっそり隠されているのは、まさかの「蔵(くら)」なのです。


 正直、びっくりしました。

 「新しい時代のはきもの 落合履物店」と書かれた外観からは、まるで想像できない世界が広がる屋内。例えるならば、それは川端康成が手がけた小説『雪国』の一説 “国境の長いトンネルを抜けると、そこは雪国だった” という言葉を思い出してしまうような。

 きっと、読者のみなさんも、その不思議な魅力に取り憑かれてしまうはず。ぜひ一緒にお楽しみください。

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 シャッターを開けると、そこには広々とした店舗スペースが。『履物店』の名の通り、当時は和装に合わせるための草履や桐下駄などを売っていたといいます。もしここをお店として利活用するのなら、これまでの歴史を踏襲しつつ、ここでセレクトショップをオープンする、なんていうのもかなり乙かも

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 なんでもこちら、「住居」を後付けでくっ付けてしまったという建物なんだとか。どうやら、昔の人には「古いものは恥ずかしい」という考えがあったそう。そのため、年季の入った蔵をすっぽり隠すように、今でいう『DIY』のような形で、人が住むためのスペースを手作りしているのです。このなんとも言えない手作り感をぜひ面白がってもらいたいなぁ、なんて思いつつ。かなり味がありますよねぇ。

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 ふと、右側に目をやります。ドーン。「これ、なに!?」と声を上げそうになってしまいましたが、そんなドキドキを一旦抑えつつ、二階へ上がってみましょう。あとのお楽しみ。必ずびっくりしますよ。

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 すこし急な階段をずんずん登って、二階へ。こういった古民家特有の「不便さ」を愛せる方にこそ、きっとズバッとハマるんだろうなぁと思ったり

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 二階には、畳張りのお部屋が連なっています。宿泊施設としての使い方も面白そうだし、夏には合宿場として勉強会を行うのも良いかも

 個人的には、シーシャなんかを置いて「和のシーシャバー」なんていうのも良さそうだなぁ、と妄想。もちろん火の取り扱いには十分気をつけて。結城の地酒やお茶なんかを楽しみながらシーシャをたしなみつつ、抜群にチルできるスポット。妄想がどんどんふくらんでいきます。

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 止まらない妄想を一度抑え、一階へ戻りましょう。さっきのアレです。とてつもなく大きな門のような。開けてみましょうか……。ドキドキ………。

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 なにやらまたひとつ大きな扉が………。おそるおそる横にスライドしてみます。

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 またも扉………。格子状の装飾に若干の恐怖(?)を覚えつつ、どうやら最後らしいこの扉を開いて、中へ入ってみましょう。

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 肌を撫でる、ひんやりとした空気。さっきまでの手作り感とぬくもりにあふれる内装が嘘だったかのように、しんとした静謐なムードが漂います。それはまるで、川端康成が見た、あの “雪国” を思わせるような。

 お話によれば、この空間は「着物を保管するための蔵」として使われていたとのこと。分厚い扉を幾重にも重ねた造りは、カビが生えてしまったり、虫食いができてしまいやすい「絹製の着物」を保管するためだったのです。

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 「収納」の機能は、相当なもの。いったいどれほどの着物がしまわれていたのだろう、きっとお店の在庫(草履や桐下駄など)もここに収納されていたんだろうな、と想像できますね。

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 ひらめきました。ここを「ワインセラー」にするのはどうでしょう。牛久やつくば、水戸に常陸太田など、茨城じゅうのワインを一挙に「結城の街」で楽しめる場所。ワインにとって大切な湿度管理や温度管理だって、この蔵さえあればきっと叶うはず。

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 蔵の階段を登れば、実際にお酒を飲むことができそうな空間も。決して「広い」とは言えないスペースですが、“大人の社交場” として、小さなテーブルを囲んでしっぽりお酒を飲むなんていうのも素敵かも。勝手な妄想がふくらみ切ってしまっていますが、もちろん利活用の方法はあなたのアイディア次第です!

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 歴史を重んじ、そこに対するリスペクトを大切にする結城市らしい建物。江戸時代中期から結城の伝統工芸品として人気を集めた「桐下駄」を扱ってきたという、落合履物店の息吹が感じられます。

 ユニークな内装の利活用、一人のファンとしてとっても楽しみです。さらにびっくりしてしまうようなアイディアを、心から期待しつつお待ちしています。素敵な妄想とともに、心ゆくまでお楽しみくださいね。

<物件情報>
・間取り:
 ∟店舗スペース:1階 1間
 ∟住居スペース:2階 畳の間(10畳1間 / 12畳1間)板の間(4畳×2間) / バス・トイレ有
 ∟土蔵内:1階 1間 / 2階 1間
・築年数:95年
・面積:約60坪
・賃料:オーナーさん要相談
・所在地:JR水戸線結城駅徒歩7分
※物件の空き状況は流動的となりますことをご了承ください。
※利活用の目的等により可否は要相談となりますことをご了承ください。
<本物件に関するお問い合わせ先>
結城市役所 企画政策課
kikaku@city.yuki.lg.jp
※お問い合わせ内容を確認の上担当者よりご連絡をさせていただきます。


ここは古き良き城下街の風情が色濃く残る街・茨城県結城市に眠る『古民家』の可能性を探る研究所。 個性豊かな古民家や、古民家利活用事例をご紹介しながら、新たな活用方法を、あなたと一緒に探ります。 『自分の好きを形にしたい』 そんなあなたのチャレンジのキッカケになりますように。