- 運営しているクリエイター
2021年9月の記事一覧
「なにもない」があるということ。特別なものがないからこそ、きっと豊かに暮らせるおうち。
「なにもない」とは、きっと、幸せなことなのかもしれません。
私たちが暮らす現代社会は、どこか「あること」が当たり前になってしまっているような気がします。欲しい情報を手に入れるなら、スマートフォンやパソコンを使えばすぐにアクセスすることができる。
電車に乗ればどんな街に行くことだってできるし、今や「スマート家電」などといった文明の利器も暮らしを助け、自動でエアコンが起動したり、電気が点いたり。
30年以上も手つかずとは思えないほどの、美しさを誇るおうち。人の息が感じられる、「生きる家」です。
家とは、生き物なのだと感じます。
合計8つものお部屋が用意された、まさしく「豪邸」といった表現がふさわしいおうち。それでも、どこか仰々しかったり、いやらしかったり、絢爛なイメージはなぜか一切感じられなくて。外見はあくまで普通。ただ驚くことに、中へ入ってみると、そんな言葉は道断されてしまうのです。30年以上もの間、空き家として誰も住んでいなかったおうち。それでもなお、その息は確かに続いていたのでし